こんにちは,masART STUDIOのカワグチです。写真の歪みや傾きは,Adobe Lightroom(アドビ ライトルーム)のジオメトリで簡単に修正することができます。ジオメトリとは,写真の幾何学遠近法の調整を行う機能ですが,補正によって写真の一部が大きく欠けることがあります。
前回ご紹介したアオリ効果の記事では,トリミングすることを前提としていました。しかし,画像を切り抜きたくないこともあるでしょう。欠けた部分をLightroomの修正ブラシで,コツコツと修復すこともできますが,根気のいる作業で結構時間もかかりますよね。そこで,この記事では欠けた部分を選択するだけで修復できる,Adobe Photoshop(アドビ フォトショップ)の「コンテンツに応じた塗りつぶし」についてご紹介します。
本稿は,masART Blog(2019年3月15日)に投稿された記事を再編集したものです。
「コンテンツに応じた塗りつぶし」とは
「コンテンツに応じる」機能のひとつで,一部では総称して「コンじる」と呼ばれています。とん汁みたいで美味しそうですね。「コンじる」には「コンテンツに応じて拡大・縮小」や「コンテンツに応じた移動ツール」などがあり,いずれも元のコンテンツに影響ができないように,写真を変更・修正できます。まさに,美味しい機能です。
Lightroomで歪みの補正
上の写真は,ローアングル(地面から近い位置)で撮影したたため,建物が上すぼまりに写っています。はじめに,Lightroomのジオメトリ機能を使って,建物の歪みを修正します。
左右の外壁と屋根,窓枠にガイドを引き歪みと傾きを修正したところです。建物の垂直線が平行になりましたが,写真の左端と右端の下側が大きく欠けてしまいました。
欠けた部分を補完するために,Photoshopに移動します。編集したい写真を選択して,「contorol」を押しながらマウスでクリックするとメニューが表示します。表示したメニューから「Photoshopで編集…」を選ぶとPhotoshopが起動します。
Photoshopで欠けた部分を補完する
透明部分を選択する
Photoshopが起動したら,ツールバーより「自動選択ツール」を選択して,塗りつぶしたい場所(透明部分)をクリックします。
塗りつぶしたい部分が選択できたら,アプリケーションメニューより[選択範囲] > [選択範囲を変更] > [拡張…]へ進み,選択範囲を1ピクセル拡張します。
「コンテンツに応じた塗りつぶし」を適用する
「shift」+「F5」キーを押下するか,アプリケーションメニューから[編集] > [塗りつぶし…]を選択します。
表示された「塗りつぶし」画面の内容で「コンテンツに応じる」を選択して,「OK」をクリックします。
あら不思議。欠けていた部分がみごとに補完されました。
画面の左側も同様に,欠けた部分を補完します。よく見ると不自然でおかしなところもありますが,お手軽に修正できるため試してみてください。写真展に出品したり,クライアントに納品するするなど品質を求めるには,もう少し手間をかける必要ありそうですが,個人のブログやSNSで使用する分には問題ないかと思います。
欠損した部分を選択する際は,選択範囲の拡張を忘れずに行いましょう。選択範囲の拡張を忘れると,塗りつぶた部分と元画像の間にわずかな隙間ができてしまいます。
まとめ
お疲れさまでした。この記事では,アオリ補正で欠落した部分を,Photoshopの「コンテンツに応じた塗りつぶし」を使用して補完してみました。最後までご高覧いただきましてありがとうございました。