Photoshop vs Lightroom vs Dfine 夜景写真のノイズ軽減結果を比較してみた

こんにちは,masART STUDIOのカワグチです。前回は,Adobe Photoshop(アドビ フォトショップ)の統計機能により,夜景写真のノイズを軽減する方法を紹介いたしました。今回は,もっとお手軽にノイズを軽減することができる,Adobe Lightroom(アドビ ライトルーム)のノイズ軽減機能,およびDfine(ディーファイン)を使用したノイズ軽減処理の比較を行います。

この記事について

本稿は,masART Blog(2019年2月15日)に投稿された記事を再編集したものです。

目次

オリジナル画像

Apple iPhone 7 (3.99mm, f/1.8, 1/15 sec, ISO 250, Raw)

ノイズを除去する前の写真です。Apple iPhone 7 にとっては過酷な環境で撮影しました。ざらついたノイズが,画面全体に乗ってるのがお分かりかと思います。

ノイズ軽減後

Photoshop(統計機能)

手持ちで撮影した7枚の写真を,Photoshopの統計機能(平均値)により合成してノイズを軽減。

始めに,Photoshopの統計機能によりノイズを軽減した画像です。手持ちで撮影した複数の写真を合成しました。画像毎のズレによる枠が出来ていますが,サンプルとしてそのまま残してあります。ノイズを低減する手順は前回の記事をご参照ください。

Dfine

Photoshopのアプリケーションメニューより,[フィルター] > [Nik Collection] > [Dfine 2] の順で選択すると,Dfineの画面が表示します。Dfineが起動すると,自動でノイズの測定と除去が実行されます。通常は自動でもキレイに仕上がりますが,手動で細かく設定することも可能です。

続きまして,Dfineでノイズを軽減します。Dfineは,Nik Collection(ニックコレクション)に含まれる,Photoshop用のノイズ低減プラグインです。

「自動」でノイズの除去をした結果。

以前は,ソフトウェア・トゥーよりパッケージソフト「Nik Dfine」として13,440円で販売されていました。現在は,仏DxO社より「Nik Collection」として,ダウンロード販売されています。「Nik Collection 5」は,8つのプラグインがセットとなり,16,500円。Photoshopユーザなら,そろえておきたいプラグイン集の1つです。ときどきセールで安くなっていますのでその時が狙い目です。

Lightroom

ノイズ軽減のポイントは,画面表示が「1:1」となっていること。そして,完全にノイズを削除しようと考えず,目障りにならない程度に抑えることの2点。

続きまして,Lightroom でノイズを軽減します。Lightroom のディテールパネルを展開して,「ノイズ軽減スライダー」と「偽色の軽減スライダー」を左右に動かしながら,目障りなノイズを軽減していきます。このときのポイントは,画像が等倍表示になっていることです。

画面周囲のノイズを目だ立たなくさせると画面中央の階調が破綻した。そのため,周囲のノイズはあきらめ画面中央の階調を優先。

ざらつきを軽減するには「ノイズ軽減スライダー」,カラーノイズ(様々な色の点々)を軽減するには「偽色の軽減スライダー」を調整します。やり過ぎは,ディテール感が損なわれ不自然な画像に仕上がってしまいますので注意が必要です。また,先にカラーノイズを目立たなくしてから,ざらつきを軽減すると作業がしやすいかもしれません。

比較

それぞれの画像の中央部を拡大してみました。

①.ノイズを除去する前のオリジナルの画像。ノイズだらけのかなり状態の悪い意地悪な画像です。

②.Photoshopの統計機能でノイズを軽減した画像。霞がかったメリハリが弱い印象を受けますが,水面のコントラストを調整することで改善できるでしょう。ノイズの除去は,DfineやLightroomのノイズ軽減機能と比較しても良好な結果となっています。

③.Dfineでノイズを軽減した画像。まだノイズが目立ちますが,これはあくまでも自動での処理結果のため。手動で丁寧に追い込めばキレイに仕上がることができるでしょう。

④.Lightroomでノイズを軽減画像。こちらが一番お手軽にできる方法です。同じアングルの写真を何枚も撮影する必要もなければ,プラグインを新たにインストールする必要もありません。とことん追い込むというよりは,目障なノイズだけ除去して,許せるノイズは敢えて残すといった使い方には最適といえるでしょう。

まとめ

今回は,「Photoshopの統計機能」「Dfine」「Lightroom」を用いて,夜景写真からノイズを軽減した結果を比較してみました。ノイズは写真にとって邪魔者であることは事実ですが,粒状感のないのっぺり場合も,作り物っぽく違和感のある画像となってします。ノイズと粒状感は別物でですが,ある程度ザラザラとした質感を残したほうが写真らしい画像ともいえます。最後までご覧いただきありがとうございました。

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この記事を書いた人

1969年,東京生まれ。ライター。写真家。美術家。masART STUDIO主宰。東京の郊外を拠点に活動。Webメディアで執筆の傍ら,人工構造物をモチーフとしたフォトモンタージュ作品を制作する。目標は,ダイエットと,ITリテラシーを高めること。

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