こんにちは,masART STUDIOのカワグチです。今回は Blackmagic Design 社の DaVinci Resolve を使用して,輪郭を光らせるエフェクトの作成方法をご紹介します。
本稿は,masART Blog(2021年09月26日)に投稿された記事を再編集したものです。
タイムラインとノードの構成について
今回作成する動画のタイムラインとノード構成を簡単にご紹介します。エディットページを開いて,V1 トラックに動画素材,V2 トラックに調整クリップを配置します。調整クリップにて Fusion の設定をおこなっているため,調整クリップをコピーアンドペーストすることで,他の動画素材にも輪郭を光らせるエフェクトを適用できます。
こちらは調整クリップの Fusion の設定となります。「エッジ検出」ツールで動画素材の輪郭の検出をおこない,「Glow」ツールで検出した輪郭をネオン管のように光らせて MediaOut へ出力するシンプルな構成となっています。
「動画素材の配置」と「調整クリップの作成」
それでは,はじめていきたいと思います。エディットページを開いて,メディアプールより任意の動画素材をタイムラインに配置します。今回は,サンプルとして 10 秒程にカットして,音声も必要ないので削除します。
つぎに,調整クリップを作成します。エディットページの「エフェクトライブラリ」から「エフェクト」を展開して,「調整クリップ」をタイムラインにドラッグ・アンド・ドロップします。クリップの長さは動画素材に合わせておきます。
Fusion ページ
作成した調整クリップを右クリックして,コンテキストメニューより「 Fusion ページで開く」を選択して,Fusion ページに移動します。
Fusion ページに移動したら ,ノードエディタを右クリックします。コンテキストメニューに「配置ツール (Arrange Tools)」とういう項目があるので,そのなかの「グリッド(to Grid)」にチェックが入っていることを確認してください。
「グリッド(to Grid)」にチェックを入れておくと,配置したツールがグリッドに吸着するため見た目がキレイになるのでおすすめします。
「エッジ検出」ツールをノードエディタに配置します。[ shift ] + [スペース]を押下すると,ツール検索ウインドウが表示されます。「 MediaIn1 」が選択された状態で,ツール検索ウインドウより「エッジ検出」ツールを検索してください。
「エッジ検出」ツールがノードエディタに追加されたら,「 MediaIn1 」の Output と「エッジ検出1」の Source,「エッジ検出1」の Output と「 MediaOut1 」の Input が接続されていることを確認します。
「エッジ検出1」のインスペクタを開き,Controls のモードを「グレースケールエッジ」にして,ビューワを確認しながら,しきい値,スムース,明るさの設定をおこないます。
続きまして,「 Glow 」ツールをノードエディタに配置します。「エッジ検出 1」が選択された状態で,ツール検索ウインドウより「 Glow 」ツールを検索してください。
「 Glow 」ツールがノードエディタに追加されたら,「エッジ検出1」の Output と「 Glow1 」の Input,「 Glow1 」の Output と「 MediaOut1 」の Input が接続されていることを確認します。
「 Glow1 」のインスペクタを開き,Controls より 「 Lock X/Y 」のチェックを外して X Glow Size および Y Glow Size を設定します。横方向に画面が流れる動画の場合,好みにもよりますが,光も横方向に広がるようにするといい塩梅になるかと思います。Glow の設定値はビューワを確認しながら設定してください。
光の色調もここで設定できます。Color Scale セクションを展開して,お好きな色を設定してください。作例では,黄金色に設定しましたが,キーフレームを打って,時間とともに色を変化させることもできます。
仕上がりの確認
エディットページに戻って,調整クリップのインスペクタを開きます。ビデオタブの中ほどにある「合成」を展開して,合成モードを「ピンライト」に設定してください。不透明度はビューワを確認しながら調整します。
チュートリアル動画では,合成モードを「ピンライト」に設定しましたが,お好みにあわせて「乗算」や「スクリーン」など色々試してみてください。
以上,輪郭を光らせて近未来的な表現をするエフェクトのご紹介でした。最後までご覧頂きありがとうございました。