【DaVinci Resolve】Shape 3D を使用してワームホールを作ろう

こんにちは,masART STUDIOのカワグチです。この記事では Blackmagic Design 社の DaVinci Resolve を使用して,ワームホールの作成方法をご紹介します。なお,本記事を執筆するにあたりあくしょんプラネットさんの YouTube 動画平面を筒状にしてワームホールを作ろう / After Effects CC2019 使い方講座 [ライブ動画]を参考にさせていただきました。あくしょんプラネットさんありがとうございます。

この記事について

本稿は,masART Blog(2021年08月27日)に投稿された記事を再編集したものです。

目次

ノード構成について

今回作成する動画のノード構成を簡単にご紹介します。FastNoise の鏡像を Transform で作成して,Shape 3D にて筒状へ変形しています。筒状にした被写体に 3 つの Spot Light で照明をあて,Camera 3D で撮影した結果を Merge 3D で統合。統合した 3D データを Renderer 3D に渡して,生成した動画を MediaOut へ出力しています。なお,色の設定やグローの効果は Fusion ページでもおこなうことも可能ですが,この記事ではカラーページで作業しました。

Fusion コンポジションの作成

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Fusion コンポジションの作成

まず,はじめに Fusion コンポジションを作成します。エディットページの「エフェクトライブラリ」から「エフェクト」を展開して,「 Fusion コンポジション」をタイムラインにドラッグ・アンド・ドロップします。クリップの長さは 10 秒としておきます。

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Fusion ページに移動

作成した Fusion コンポジションを右クリックして,コンテキストメニューより「 Fusion ページで開く」を選択して,Fusion ページに移動します。

Fusion コンポジションの設定

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to Grid の確認

Fusion ページに移動したら ,ノードエディタを右クリックします。コンテキストメニューに「 Arrange Tools 」とういう項目があるので,そのなかの「 to Grid 」にチェックが入っていることを確認してください。

「 to Grid 」にチェックを入れておくと,配置したツールがグリッドに吸着するため見た目がキレイになるのでおすすめします。

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FastNoise の配置

では,「 FastNoise 」ツールと「 Transform 」ツールをノードエディタに配置します。[ shift ] + [スペース]を押下すると,ツール検索ウインドウが表示されますので,「 FastNoise 」ツールおよび「 Transform 」ツールを検索してください。

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FastNoise の鏡像化

「 Transform1 」のインスペクタを開き,Size を「 0.5 」に設定して,Edges は「 Mirror 」を 選択します。Mirror で鏡像化しておくことで筒状に変形した際,つなぎ目が目立たなくなります。「 FastNoise1 」は後で変更しますのでここでは初期値のままとしておきましょう。

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FastNoise を筒状に変形する

次に「 Shape 3D 」を設置します。「 Transform1 」の Output を「 Shape3D1 」の Material に接続します。「 Shape3D1 」のインスペクタを開き,Controls タブにて Shapeを「 Cylinder 」,Radius を「 0.39 」,Height を「 2.83 」に設定します。

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円筒を横に倒す

Transform タブに切り替え,Rotation の X 軸を「90.0」に設定して,円筒を横に倒します。SF アニメに出てくるスペースコロニーみたいですね。

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オブジェクトの撮影準備

それでは,この円筒形のオブジェクトを撮影します。「 Merge 3D 」ツールをノードエディタに追加します。「 Shape3D1 」の 3D Data を「 Merge3D1 」の SceneInput1 に接続します。

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カメラの設置

「 Camera 3D 」ツールをノードエディタに追加して,「 Camera3D1 」の 3D Data を「 Merge3D1 」の SceneInput2 に接続します。「 Camera3D1 」のインスペクタを開いて,Controls タブの Focal Length(mm) を「20.0」に設定します。

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撮影結果の確認

撮影結果を確認するため,「 Renderer 3D 」を設置します。「 Merge3D1 」の 3D Data を「 Renderer3D1 」の SceneInput に接続します。「 Renderer 3D 」に 3D Data を渡すことで, 3D Data から動画を生成することができます。「 Renderer3D1 」の Output を「 MediaOut1 」の Input に接続してください。

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カメラの位置調整

撮影結果を確認しながら,カメラの位置を移動します。ビューワの右側を「 MediaOut1 」の出力結果,左側を「 Merge3D1 」としておくといいでしょう。「 Camera3D1 」のインスペクタを開いて,Transform タブの Translation の Z 軸を「2.03」としました。ビューワの左側を見るとカメラが移動したことがわかります。

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FastNoise の調整と Transform のキーフレーム設定

このまま再生しても画面に変化はないので,FastNoise の設定をおこないましょう。「 FastNoise1 」のインスペクタを開きます。 Datail や Contrast はお好みに合わせて設定してください。Lock X/Y のチェックを外すと X 軸とY 軸の Scale を個別に設定できます。エネルギーの脈が奥から手前に流れてくるようにするといいでしょう。Seethe Rate の値を大きくすると,FastNoise も活発に変化します。0 のままだと退屈な画面になるので注意してくださいね。はじめは 0.5 前後に設定して様子をみるといいかとおもいます。

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回転をつける

次に,「 Transform1 」にキーフレームを打って,回転しながら奥に進むような効果をつけていきます。再生ヘッドが 0 フレームにいることを確認してください。「 Transform1 」のインスペクタを開いて,Center の X と Y を「 0.0 」としてキーフレーム(赤いひし形)を打ちます。

再生ヘッドを最終フレームに移動して( 24fps のため最終フレームが 239 となっています),「 Transform1 」のインスペクタにて,Center の X と Y を「 1.0 」に変更します。キーフレームが自動的に打たれたことを確認してください。応用として,カメラの Z 軸にキーフレームを打って,トンネルをくぐり抜けるのもいいかと思います。

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ライティングの設定

このままでもいいのですが,少し味気ないのでスポットライトで照明をあてたいと思います。ノードエディタに「 Spot Light 」ツールを 3 つ追加します。「 SpotLight1 」から「 SpotLight3 」の 3D Data を,「 Merge3D1 」の SceneInput3 から SceneInput5 に接続します。

「 Spot Light 」ツールの簡単な説明ですが,インスペクタの Controls タブにある Intensity が光の輝度。Cone Angle が光の広がり(ビームの角度)。Penumbra angle がスポットライトの周辺部の角度(光の柔らかさ)となります。Transform タグでは光源の位置や,向きを設定できます。

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ライティング効果の確認

ビューワを見ながら光の向きや強さをコントロールしていきますが,「 Spot Light 」ツールを設定しただけでは,照明効果を画面に反映できません。

「 Renderer3D1 」のインスペクタを開き,Lighting カテゴリを展開して,Enable の Lighting にチェックをいれることで,「 Spot Light 」が画面に適用されます。

カラーの設定とグロー効果の適用

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色の設定

色の設定やグローの効果は Fusion ページでもおこなうことも可能ですが,この記事ではカラーページで作業します。1つ目のノードラベルを「 color 」として,プライマリホイールのリフト,ガンマ,ゲイン,オフセットをお好みの色に設定します。青系や緑系の色に設定するとワームホールらしく見えるのではないでしょうか。

この後にグローをかけます。グローをかけたときに全体が白飛びしないように,右下のスコープ(パレード)を見ながら,896 を超えないようにしましょう。

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Glowの適用

シリアルノードを追加します。ノードラベルを「 glow 」とし,OpenFX の ResolveFX ライトの「グロー」を適用します。明るさのしきい値や拡散,不透明度などを調整します。もともと,エネルギーや光のトンネル内を航行するイメージなので,多少の白飛びが発生しても問題ありません。

再生と確認

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再生と確認

それではエディットページに戻って再生してみましょう。[スペース]キーで再生と停止ができます。今回の動画は,「 FastNoise 」の設定値によって大きく印象が変わってきます。「 FastNoise 」の設定をいろいろ変更してみてください。

【作例1】Detail : 8.03 / Contrast : 1.44 / Brightness : 0.0 / X Scale : 9.92 / Y Scale : 4.41 / Discontinuous : チェックなし / Inverted : チェックなし
【作例2】Discontinuous : チェックあり / Inverted : チェックあり(それ以外は作例1と同じ)

以上がワームホール動画の作成方法のご紹介でした。最後までご覧頂きありがとうございます。

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この記事を書いた人

1969年,東京生まれ。ライター。写真家。美術家。masART STUDIO主宰。東京の郊外を拠点に活動。Webメディアで執筆の傍ら,人工構造物をモチーフとしたフォトモンタージュ作品を制作する。目標は,ダイエットと,ITリテラシーを高めること。

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