こんにちは,masART STUDIOのカワグチです。昨日, DaVinci Resolve を使用した「ミニチュア風動画の作成方法」の Tips 動画を公開いたしました。この記事ではこの Tips 動画の概要と,Tips 動画では伝えきれなかった部分を補足いたします。
タイムラインとノードの構成について
まずはじめに,今回作成する動画のタイムラインと Fusion ページのノード構成を簡単にご紹介します。
タイムラインの構成
V1 トラックに動画素材,V2 トラックに動画素材(マスク用),V3 トラックに調整クリップを配置します。調整クリップにて Fusion の設定をおこなっているため,調整クリップをコピーアンドペーストすることで,他の動画素材にもミニチュア効果を適用できます。
ノードの構成
無償版の DaVinci Resolve をご使用の方は,「ブラー(チルトシフト)」と「明度/コントラスト」の2つのツールを使用することで,ミニチュア効果を表現できます。
無償版の DaVinci Resolve をご使用の方は「ブラー(チルトシフト)」ツールを使用できないため,「ブラー」ツールと「四角形」ツールを組合せてるといいでしょう。
タイムラインの解説
動画素材
今回のサンプルは,歩道橋から車道を俯瞰した動画となっています。ロケ日はピーカンだったため,はっきりと建物や車の影が出ていますが,薄曇りで柔らかい影が出ている日に撮影した方がミニチュア効果を得やすいかと思います。また,画角も広角よりは標準域に近いレンズを使用するといいでしょう。
動画素材(マスク用)
今回のサンプルでは信号の点滅と、歩道を行き交う歩行者や自転車が気になりるので,マスクを切るすることにしました。マスクは以下の手順で作成します。マスクは必要に応じて作成してください。
エディットページでビデオトラックを追加して,動画素材を複製します。追加するビデオトラックは,動画素材の直上に配置してください。
信号が点灯しているフレーム,歩道に歩行者や自転車,路肩にバイクが居ないフレームを探します。
マスクに使えそうなフレームを見つけたら,マスク用のクリップを右クリックして,「クリップの速度を変更..」を選択します。「クリップの速度を変更」ウインドウが表示されたら,フリーズフレームにチェックを入れます。
フリーズフレームが作成された位置で,動画クリップが切り離されます。前方の動画は使用しないので,削除しましょう。残ったフリーズフレームを,動画素材のトラックの尺に合わせます。
クリップの長さを調整したら,Fusion ページに移動してマスクを作成します。マスク用のクリップを右クリックして,コンテキストメニューよりフュージョンページで開くを選択してください。
Fusion ページに移動したら、「多角形ツール」をノードエディタに配置します。次に,信号機や歩道を囲うようにコントルールポイントを置いて,マスクを切っていきます。コントルールポイントの配置は,後で修正できるので大雑把で大丈夫です。
マスクを完成させるには,1つ目のコントロールポイントをクリックしてシェイプを閉じる必要があります。マウスポインターを1つ目のコントロールポイントに重ね,ポインターが丸いアイコンに切り替わるのを確認してください。
調整クリップ
調整クリップとは Adobe PremierePro の調整レイヤーと同様に,調整クリップの下に配置された複数のクリップに同一の効果を適用することができます。今回は,Fusion ページでミニチュア効果を設定しました。詳細は後述する「ノードの解説」をご参照ください。
ノードの解説
今回の Tips 動画で使用したツールは以下のとおりとなります。各ツールの役割を解説いたします。
Blur1(ブラー)
一旦,「ブラー」ツールで画面全体にぼかしをかけます。ぼかしの強度は,インスペクタの「Blur Size」で調整できます。
Rectangle1(四角形)
「四角形」ツールで,ぼかし用のマスクを作成します。「四角形」ツールの横幅を画面の側面まで伸ばして,インスペクタの「反転」にチェックを入れます。続きまして,ぼかしの境界を滑らかにしたいので,「ソフトエッジ」を「0.2」くらいするといいでしょう。「四角形」ツールの縦幅と配置は,使用する動画素材に合わせて調整してください。
BrightnessContrast1(明度/コントラスト)
「明度/コントラスト」ツールでは,コントラストと彩度を上げて作り物のようにします。少しやり過ぎたかなと思うくらいの方が,おもちゃの建物や車のようになります。ハイライトやシャドーもこのノードで設定してもいいでしょう。
まとめ
この記事では,ミニチュア風動画の作成方法をご紹介しました。クライアント案件では使用する場面は無いかもしれませんが,かわいらしい動画を作成することができますので興味のある方は試してください。最後までご覧いただきありがとうございました。