【DaVinci Resolve】カラーページの初歩(操作方法とインターフェース)

こんにちは,masART STUDIOです。この記事では,カラーページの初歩的な操作方法と,インターフェースの概要について解説いたします。最後までご覧頂ければ幸いです。

DaVinci Resolveの原点がプロ仕様のグレーディング・アプリケーションであることを踏まえると,カラーページはDaVinci Resolveの中心的な機能であると言えるでしょう。カラーページには,色調やコントラストの調整,ノイズ除去をはじめ,様々なエフェクトの適用など多くの補正やスタイル調整のためのコントロールが搭載されています。

目次

カラーページの表示方法

画面下のアイコンより移動

では,最初にカラーページに移動してみましょう。画面下に表示されているページナビゲーションより,カラーページのアイコンを押下してください。

ショートカットキーで移動

また,ショートカットキーで各ページ間を移動する方法もあります。ショートカットキーでカラーページに移動する場合は,Shiftキー+6を押下してください。

レイアウトのリセット

続きまして,カラーページを構成する画面とその機能を確認していきましょうDaVinci Resolveのカラーページは,幾つかのエリアに分かれており,各エリアの機能を併用してカラーグレーディングを行います。画面レイアウトをあわせるために,ワークスペースの初期化をおこないます。メニューバーより「ワークスペース」>「レイアウトのリセット」を選択してください。

なお,ご使用のモニターの解像度によっては,センターパレットが表示されない場合もあります。解像度が低い場合,レフトパレットおよびセンターパレットは,1つのパネルに統合されますのでご留意ください。

カラーページの画面構成

カラーページのデフォルトのレイアウトには,「ギャラリー」「ビューワ」「ノードエディター」「クリップ」「タイムライン」「レフトパレット」「センターパレット」「キーフレームエディター・ビデオスコープ・情報」といったパネルが表示されます。

ギャラリー

では,画面左上の「ギャラリー」から解説いたします。ギャラリーには,視覚的な比較や,グレーディングデータのコピーに使用するスチルを保存することができます。スチルは,DaVinci Resolveで生成することもできますが,外部ソースから読み込むことも可能です。スチルを生成したい場合は,ビューワに表示された任意のフレームを右クリックして「スチルの保存」を選択してください。

ギャラリーに保存したスチルから,「TIFF」や「JPEG」などの静止画を出力することも可能です。

メディアプール

ここで,DaVinci Resolve 18.5 の新機能をご紹介します。左上のセクションを「ギャラリー」から「メディアプール」に切り替えてください。

任意のタイムラインを右クリックして,「タイムライン」から「タイムライン設定」を選択します。

タイムライン設定画面が表示されたら,右側の「color」タブを開きます。以前のバージョンでは,プロジェクト単位で「カラーサイエンス」を設定していましたが,DaVinci Resolve 18.5 より,プロジェクトに加えタイムライン毎に「カラーサイエンス」を設定できるようになりました。プロジェクトと異なる「カラーサイエンス」を使用したい場合は、左下の「プロジェクト設定を使用」のチェックを外すことで,「カラーサイエンス」の設定を変更できるようになります。

ビューワ

ビューアには,選択したクリップ(タイムラインの再生ヘッドの位置にあるフレーム)を表示・再生できます。こちらで表示された画面を確認しながらカラー編集を行います。

ノードエディター

ノードエディターでは,クリップごともしくはタイムライン全体に,1つまたは複数のノードを組み合わせることができます。

1つのノードに様々な補正やエフェクトを適用することも可能ですが,機能ごとに複数のノードで構成することが一般的です。DaVinci Resolve では,数種類のノードを使用することができますが,シリアルノードはもっとも標準的なノードとなります。シリアルノードを追加したい場合,option + S キー(Windows の方は Alt + S)を押下してください。

また、複数のノードを使用することで,操作の順序の変更も可能になります。例えば,2番目のノードを,ノードツリーから外して,3番目のノードの後に移動することもできます。ノードをノードツリーから外したい場合は,対象のノードを選択した状態で,Eキーを押下してください。

クリップ

クリップ一覧には,プロジェクトで使用している動画素材のサムネイルタイムラインが表示されるので,こちらから作業したいクリップを選択します。選択されているクリップは,オレンジ色でハイライトされます。クリップ一覧の表示が不要な場合は,左上のインターフェースツールバーから非表示にすることもできます。

タイムライン

タイムラインには,エディットページのタイムラインのビデオトラックをコンパクトにまとめたものが表示されます。各クリップの実際の長さを確認するのに便利なパネルですが,ノートPCのように小さな画面で操作される場合は,右上のインターフェースツールバーから非表示にすることもできます。

レフトパレット

カラーページの左下にあるレフトパレットでは,色やコントラストを操作するグレーディングツールにアクセスできます。パレットパネルの上にある各アイコンをクリックすることで,「プライマリーホイール」や「プライマリーバー」「Logコントロール」など目的に応じたパレットを開くことができますが,ここではデフォルトで表示されている「プライマリーホイール」について解説いたします。

プライマリーホイールでは,特定の輝度範囲にターゲットを絞ることで,動画素材の明るさと色相を調整します。円の部分をカラーホイールと呼び,色相を調整します。カラーホイールの下にある横方向のスライダーは,マスターホイールと呼び,明るさの調整を行います。

プライマリーホイールには,ご覧のとおり「リフト」「ガンマ」「ゲイン」「オフセット」の4つのホイールがあり,これらは調整できる明るさの範囲を表しています。

  • 「リフト」は動画素材のシャドウの部分を対象にした調整
  • 「ガンマ」は動画素材のミッドトーンを対象にした調整
  • 「ゲイン」は動画素材のハイライトを対象にした調整
  • 「オフセット」は動画素材全体を均等に調整

各ホイールの右上にある矢印のリセットボタンを押下すると,該当するカラー設定とマスターホイールが初期値の状態に戻すことができます。また,パレットのモード名の隣にあるオール・リセットボタンを押下すると,全パレットをリセットできます。

「プライマリーホイール」の上部と底部にある調整コントロールでは,動画素材のコントラストや色温度やティント,彩度などを調整できます。こちらのレフトパネルでは「プライマリーホイール」以外にも,様々なグレーディングツールにアクセスできますが,この記事では割愛させていただきます。

センターパレット

モニターの解像度が1920×1080以上の場合,カラーページの中央にあるボタンで2つ目のパレットを表示できます。センターパレットでは,「カーブ」「カラーワーパー」「クオリファイアー」「ウィンドウ」「トラッカー」「Magic Mask」「ブラー」「キー」「サイズ調整」「3D」といったパレットを使用できます。

ここでは「カスタムカーブ」について解説します。カスタムカーブでは,特定のトーンレンジを対象に明るさを調整できます。横軸は動画素材のトーン値を表しており,左端が最も暗いシャドウで,右端が最も明るいハイライトとなります。

縦軸は出力値(オフセット値)を表しており,カーブを上げると動画素材が明るくなり,下げると暗くなります。このように,コントロールポイントを2カ所追加して,S字カーブを描くように調整することで,コントラストをつけることができます。

キーフレームエディター・ビデオスコープ・情報

最後に,カラーページの右下のセクションについて見ていきましょう。カラーページの右下のセクションでは「キーフレームエディター」「ビデオスコープ」「情報」の3種類の機能を切り替えて表示できます。

デフォルトでは「キーフレームエディター」が表示されますが,ここでは使用頻度の高い「ビデオスコープ」から「パレード」の見方について解説いたします。

ビデオスコープは,作業中のクリップの内部データレベルをリアルタイムにモニタリングできます。ビデオ信号の様々な特性がグラフィックで明確に分析されるため,カラーやコントラスト,赤/緑/青チャンネルの幅や相対的な強弱を確認するのに役立ちます。

パレードスコープでは赤/緑/青チャンネルの強度を比較できます。グラフの上部がハイライト,グラフの下部がシャドウ,グラフの中間部がミッドトーンを示し,グラフの左側が画面の下手,グラフの右側が画面の上手を示します。

つまり,グラフの下部と上部の高さの差がイメージ全体のコントラスト比を表しています。パレードグラフが縦に長い場合はコントラスト比が広く,短い場合はコントラスト比が狭いことを意味します。

グラフを相対的に比較することで,バランスの悪い部分を探し出し,色かぶりの特定やシーンごとのカラーコレクションに役立ちます。

まとめ

以上,カラーページの初歩的な操作方法と,インターフェースの概要について解説いたしました。最後までご覧いただきありがとうございます。それではまた次の記事でお会いしましょう。

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この記事を書いた人

1969年,東京生まれ。ライター。写真家。美術家。masART STUDIO主宰。東京の郊外を拠点に活動。Webメディアで執筆の傍ら,人工構造物をモチーフとしたフォトモンタージュ作品を制作する。目標は,ダイエットと,ITリテラシーを高めること。

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