【DaVinci Resolve 】顔を追いかける!動画にモザイクをかけよう

こんにちは,masART STUDIOです。この記事では,被写体の移動に合わせて追尾するモザイクのかけ方をご紹介します。

DaVinci Resolveを使って,動画にモザイクをかける場合は、Fusion ページから行う方法と,カラーページから行う方法の2つの方法がありますが,今回はカラーページを使ってモザイクをかける方法を解説していきます。

目次

画面全体にモザイクをかける

STEP

それでは,カラーページを開いて,画面全体にモザイクをかけてみます。エフェクトメニューを開き,Resolve FX ブラーからブラー(モザイク)を選択して,ノードにドラッグ・アンド・ドロップしてモザイクを適用します。

STEP

これで画面全体にモザイクがかかりました。

STEP

画面右上には,ピクセル数やセルの形状などのパラメータが表示されます。それぞれの値を調整することで,モザイクの効果が変わります。お好みに合わせて設定してみてください。今回,適用したモザイクは一度削除します。

画面の一部にモザイクをかける

STEP

続きまして、画面の一部にモザイクをかけてみましょう。画面全体にモザイクがかかった状態で,適用範囲を絞り込む方法もありますが,はじめに適用範囲を選択してからモザイクをかけてみます。それでは,センターパレットのウィンドウを開いて円形ツールを選択してください。

STEP

バックダンサーの女性にモザイクをかけたいので,こちらの円形ツールを使用してバックダンサーの顔の部分を選択します。

STEP

モザイクをかけたい被写体を選択したら,先ほどと同様に Resolve FX ブラーから,ブラー(モザイク)を適用してみましょう。顔の部分にモザイクが掛かったかと思います。

選択範囲の外側にモザイクをかけたい場合は

選択範囲の外側にモザイクをかけたい場合は,赤枠で囲った反転ボタンを押下します。選択範囲からモザイクが外れて,それ以外の部分にモザイクが掛かります。

STEP

この状態で再生すると,どうなるでしょうか……。はい。残念ながら,選択した範囲が動画に合わせて移動しないため,被写体からモザイクから外れてしまいました。この問題を解決するには,トラッキング機能で被写体を追尾する必要があります。

トラッキング機能で被写体を追跡する

STEP

トラッキング機能を使用するには,ウインドウの右隣にあるトラッカーで設定を行います。

STEP

作業を開始する前に,ノードに名前をつけておきましょう。このセクションでは,右から2番目のバックダンサーに適用するので「mosaic02」としておきます。モザイクを適用するバックダンサー毎にノードを分けるのがいいでしょう(厳密には3番目のダンサーですが,一番右にいるダンサーははっきりと写り込まないので無視します)。

STEP

また,作業がしやすいように,適用されているモザイクを一時的に無効にします。

STEP

それでは、トラッカータブを開いてみましょう。今回は「回転」及び「遠近3D」のチェックを外しておきます。

STEP

クリップが選択されていることを確認します。クリップが選択されていることを確認したら,クリップの先頭のフレームに移動して右三角形の「順方向にトラッキング」ボタンを押下します。

STEP

今回,サンプルで使用した動画では,途中でトラッキングが止まってしまいました。このように対象となる被写体が画面の枠から外れたり,他の被写体に隠れてしまったりすると,トラッキングが停止もしくは誤って他の被写体を追尾することがあります。

STEP

このような場合は,手動でトラッキングを調整します。マスクが対象となる被写体から外れた直前のフレームに移動しましょう。ここで,ビューアのサイズも調整しておきます(画面からマスクが外せるように,ビューアを少し小さくしておきます)。

STEP

トラッカータブの「クリップ」を「フレーム」に切り替えて,コマを送りながらマスクの位置を確認していきます。

フレームを1コマ進めたい場合は

フレームを1コマ進めたい場合は,キーボードの「K」を押しながら「L」を押下してください。コマを戻したい場合は,キーボードの「K」を押しながら「J」を押下することで,1コマ戻すことができます。ちなみに,右矢印キーや左矢印キーも同様の動作をします。

STEP

ビューア上でマスクの位置を確認しながら,マウスを使用してターゲットの女性の顔に被るようにマスクの位置を調整します。

STEP

被写体が画面の枠から外れた場合は,マスクも画面から完全に外れるようにしてください。

STEP

再び,被写体が画面に戻ってきたらトラッキングを再開します。必要に応じて,マスクの大きさも調整するといいでしょう。

STEP

一通り作業が完了したら,再生して問題なくトラッキングされているか確認します。気になるところがある場合は,再生を繰り返しながら違和感がなくなるまで調整しましょう。地道な作業となりますが、この作業を繰り返していきます。

クリップの途中から自動トラッキングをかけることも可能

クリップの途中から,自動トラッキングを再開することも可能です。自動でトラッキングをかける場合は「クリップ」,手動で調整する場合は「フレーム」を選択してから作業するようにしましょう。「クリップ」と「フレーム」の切り替えは,結構忘れがちなので気をつけてくださいね。

STEP

違和感なくトラッキングができたら,先ほど無効化したブラー(モザイク)を有効に戻して確認してみましょう。今度は,対象の女性からモザイクが外れることなく,追尾しているのがわかるかと思います。

メインの被写体にモザイクが干渉しないようにする

これで、右から2番目の女性にモザイクをかけることができました。一連の作業を全てのバックダンサーに適用したいところですが,少々問題があります。メインのダンサーがバックダンサーの前を通過するシーンがありますよね。

勘のいい方はお気づきかと思いますが,実際に右から3番目のダンサーにモザイクをかけてみると,このようにメインのダンサーにモザイクが被ってしまいます。でも,ご安心ください。ちょっとしたテクニックを使用することで,この問題を回避することができます。

STEP

今回はノード構成が複雑にならない手法で,作業を進めたいと思います。それでは,エディットページに移動して,作業中のクリップを複製します。複製したいクリップを選択して,Optionキー(Windowsの方はAltキー)を押しながら,一つ上のトラックにドラッグしてください。

STEP

元のクリップと複製したクリップがずれていないことを確認して,両クリップを選択します。クリップが選択された状態で,Option + Command + L(Windowsの方は Ctrl + Alt + L)を押下して,クリップをリンクしておきましょう。

STEP

クリップを複製したら、カラーページに戻ります。複製したクリップには、モザイクを設定したノードは不要なので,複製したクリップが選択されていることを確認して,これらのノードを削除します。

STEP

代わりに,新たなノードを追加します。ノードエディターで右クリックメニューより,コネクターを選択します。

STEP

追加したノードの緑色の三角と四角を,カラーページの入り口と出口につなぎます。

STEP

次に「アルファ出力」を作成します。ノードエディターで右クリックして,「アルファ出力を追加」を選択してください。

STEP

青い丸の端子が表示されますので,ノードの青い四角とつなぎます。これで準備は完了です。

STEP

それではマジックマスクを使用してみましょう。マジックマスクのタブを開くと,右上に「オブジェクトマスク」と「人物マスク」のボタンがあります。今回はこちらの「人物マスク」を選択します。

無償版の DaVinci Resolve をご使用の方は

ここから紹介するマジックマスクは,有償版の DaVinci Resolve Studio で使用できる機能となります。無償版の DaVinci Resolve をご使用の方は,マジックマスクの代わりに,前述した円形ツールを使用して,メインダンサーをトラッキングするといいでしょう。

STEP

「人物マスク」を選択すると、左側に「人物」と「部位」が表示されます。メインダンサーの全身にマスクをかける必要はないので 「部位」 を選択しましょう。

STEP

初めに,プルダウンメニューより「顔」を選択します。マウスカーソルをビューアに移動すると,スポイトアイコンに変わりますので,メインダンサーの顔にストロークを描きます。

STEP

次に,プルダウンメニューから「髪」を選択して,同様にメインダンサーの髪にストロークを描きます。

STEP

マスクのかかり方を確認したい場合は,こちらの「オーバーレイを切り替え」を押下してください。マスクされている部分が赤くなります。

STEP

それでは,マスクをトラッキングしていきましょう。全てのフレームにマスクをかける必要はないので,縦線の付いた左向き三角をクリックしながら,バックダンサーのモザイクが干渉する直前のフレームまで逆方向にトラッキングします。

STEP

先ほどマスクを作成したフレームに戻って,同様に縦線の付いた右向き三角をクリックしながら,モザイクが干渉しなくなるまで1フレームずつ順方向にトラッキングします。

STEP

一連の作業を,メインダンサーにモザイクが干渉しているフレームに対して行います。顔や髪など、モザイクが干渉する部位にマスクを作成して,トラッキングしていきましょう。

STEP

一通りトラッキングが完了したら,1コマずつ気になるフレームを調整していきます。この時,トラッキング機能(三角形のアイコン)ではなく,キーボードの「K」と「L」,もしくは「K」と「J」で移動するようにしてください。このようにマスクがかかっていない箇所は,マスクの範囲を追加していきます。

STEP

逆に意図しないところにマスクがトラッキングされている時は,フレーム単位で該当するマスクを削除することもできます。

STEP

また,マスクがはみ出している時は,マイナスのスポイトに持ち替えて,はみ出した部分を修正していきましょう。プラスのスポイトは青いストローク,マイナスのスポイトは赤のストロークとなります。少し大変かかもしれませんが,マスクの掛かり具合を調整することで,メインダンサーに干渉するモザイクを削除することができます。

ショートカットも使えるよ!

プラスとマイナスをその都度ボタンで切り替えなくても,Option キー(Windowsの方はAltキー)を押しながらストロークを描くことで,プラスとマイナスを切り替えることもできます。

まとめ

この記事ではDaVinci Resolveでモザイクをかける方法をご紹介しました。今回紹介した技法を使えば、イベントやお祭りなどの撮影で,第三者が移り込んでしまった場合でも編集時にモザイクをかけたり、ぼかしたりすることで,プライバシーに配慮した動画を作成することができるかと思います。

最後までご覧いただきありがとうございました。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

1969年,東京生まれ。ライター。写真家。美術家。masART STUDIO主宰。東京の郊外を拠点に活動。Webメディアで執筆の傍ら,人工構造物をモチーフとしたフォトモンタージュ作品を制作する。目標は,ダイエットと,ITリテラシーを高めること。

目次